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予知予防・再発防止 Prediction & Preventive

PET検診(陽電子断層撮影)とTMCA検診(腫瘍マーカー)
 

癌の診断精度において、イメージ診断と生化学的診断との間には2倍以上のギャップがある。われわれが開発したTMCAはこれまで報告してきたように、ほぼ正確に癌の動静を把握できると言う立場であるが、最終診断に使われるレントゲン診断やCTやバイオプシーの診断方法は検診では統計上、1000人に3人の割合で、診断がなされています。今はやりのPETでは100人中2.1人と報告されています。腫瘍マーカー検診は100人中4-5人に1g以上の癌の存在が推定できると20年前から報告して来ました。その根拠を紹介します。

今回、PET診断をはじめとするイメージ診断と腫瘍マーカー診断との相関を中心に検討してみました。

 
症例 1 (59歳男性)
この患者は2004年9月10日、T病院で胃がんの診断を受けて60%の胃切除手術を受けています。そのときの手術所見はpoorly differentiated adenocarcinoma mp,ly3,vo,n2(+),Ho,Po,Mo, stage IIIa
10月14日 腫瘍マーカー検診(TMCA)により、α1-globulin fraction3.1%(アルブミン比5.0%),エラスターゼ1:490ng, ferritin(FT)59.3ng, FT/Fe:3.5, thymidine kinase27.7などのデータからTSV(高危険度)にrisk 分類された。
11月23日 PET 検査を行うと“横隔膜下の腹部正中から左側にFDGの集積が認められます。残胃に集積を考えられますが、胃のFDGは生理的集積部位であり、胃炎か胃潰瘍を疑います。”との判定であった。
MRIの所見では“右上葉S1と右中葉の肺門近くに5mmほどの腫瘍を認める”との判定であった。
これを更に解像度を上げてみると次のようになります。
この患者さんの場合本人には“きれいに手術できました”と外科医は言い、家族には“肺に転移した進行がんです。”と違った説明がされています。本人を説得して再発予防のために6回の温熱療法を施行しました。
日付
10,Sept
14, Oct
11,Nov
25,Nov
15, Dec
FT
(Surgery)
592.3
401.4
438.6
445.5 ng/ml
FT/Fe
 
3.5
3.3
3.4
2.9
Elastase1
 
490
339
403
229
Thymidine kinase
 
27.7
16.3
10.3
18.4
Alubumin (Alb)
 
61.6
60.3
61.9
62.8 %
α1-globulin(α1)
 
3.1
3.1
2.9
2.7
α1/ Alb
 
5.0
5.1
4.6
4.2%
温熱療法6回でferrtinn に関しては十分ではないが、elastase1もα1/ Albも徐々に改善している。
 
症例 2 (47歳男性)
2000年、K病院で、胃潰瘍の診断を受けている。
2003年3月、胃カメラにて 胃がんの診断を受けている。
2003年3月27日、胃全摘手術(Roux Y anastomosis, Borr 3 type stage IV と診断、
Well differentiated adenocarcinoma), Cy n(-), IFNγ、SE,ly, Vo, Ho, P1, n(+)
5月8日 腫瘍マーカー検診(TMCA)を行ったところ異常が検出された。
Ferritin 792.5ng/ml, FT/ Fe:8.5, PSTI:22.4, Elastase1:656, RNase:183, CA12-5: 127.6, TPA: 114.4, α1-globulin/ Alb:4.2で、risk 分類はTSV(高危険度)ということになった。
6月13日、PET検診を行い次のような判定であった。
“腹部大腸の走行に沿う、淡い集積とその周囲にも淡いFDG集積をびまん性に認め、腹膜播種の可能性があります。”との診断であった。


6月2日から漢方薬サンアドバンスの服用とマイナスイオン治療器で治療を始めた。
日付
8,May
12, June
8, July
5, Aug
23, Oct、2003
FT
792.5
505.7
431.7
316.9
240.7
FT/Fe
8.5
5.7
3.7
3.1
3.0
TPA
114.4
51.1
 
73.6
59.8
RNase
183
165
145
130
120
CA12-5
127.6
10.7
6.7
6.7
12.5
α1/ Alb
4.2
3.7
3.4
3.4
4.1
エラスターゼ1
656
372
 
235
280
FT/ FE比、TPA, RNase, CA12-5、エラスターゼ1がそれぞれ改善していることが分かる。
症例 3 (26歳女性)
2004年8月10日、子宮全摘手術をS大学で受けている。
9月3日、腫瘍マーカー検診で手術後の経過をフォローしてみた。CT上は問題ないといわれていたが、risk 分類はTSV(G3)高危険度群(進行癌)と言う診断であった。その時のデータは次のようなものであります。CA12-5:79.5U/ ml, IAP: 607ng, α1/ Alb比:8.0%, T cell 771, NK 活性:15%、シアル酸:80mg、Fe/ Sialic Acid(SA)比:0.25
10月3日 PETにて精査を行った。骨盤内にhot spotがあり、再発を指摘され、更に左水腎症が発見された。
その水腎症をPETの写真で見たとき、(10月12日)、エコーで確認したときには水腎症はすでに両側に及んでいた。
10月15日内尿管カテーテルを挿入して水腎症を施行した。年齢の若い患者の場合、このように早い悪化を示すことがあるので、外科的な対応だけでなく、生化学的診断が必要ではなかろうか。
 
症例 4 (54歳男性)
1989年からTMCAで癌の第1次予防を行っていた。
1989年6月25日:TSIII(3),  1989年10月1日:TSIV, 1990年1月28日:TSIV, 
1990年5月27日:TSIII(3), 1990年8月26日:TSIV, 1990年11月25日:TSIII(3), 
1991年 2月24日:TSIII(3),  1991年5月26日:TSIV,  1991年8月25日:TSIII(3)、
1991年11月17日:TSIV,  1992年2月23日:TSIV,  1992年5月31日:TSIII(3),
1992年11月29日:TSIII(3),  1993年5月30日:TSIII(3), 1993年11月28日:TSIII(3),
1994年5月29日:TSIII(3)、 1995年4月30日:TSIII(6),  1995年12月17日:TSIII(6),
1997年2月23日:TSIII(6), 1997年12月21日:TSIII(3), 1998年10月25日:TSIII(3)、
1999年11月28日:TSIII(3), 2000年5月28日:TSTSIII(6), 2001年1月28日:TSIV,
2001年8月26日:TSIV, 2003年11月23日:TSV , 2003年11月23日のTMCAで急にrisk分類がTSV(G1)となった。
その根拠としては α1-globulin/ Alb(5.3%), シアル酸(78mg),ALP2/3(3.2), APT(4.7)などであった。 翌月12月3日、再度TMCA検査を行って見たところ、やはり、TSVでその根拠はα1-glob/ Alb(5.3%), シアル酸(78mg)、ALP2/3(3.0)、APT(4.7)であった。
そこでPET検査を施行した。
レントゲン診断医の判定では“胃と腸に淡い集積を認めたが癌とは断定できない”ということであります。
2004年4月30日、1回だけWBH(Hyperthermiaのー種)を行い、様子を見た。
2004年12月9日、再度TMCA検査を行ったところ、riskはTSVの悪化という判定になった。何故ならば、thymidine kinaseが5.6から7.4に上昇し、ヒアルロン酸は69.5から133.1に上昇していた。NSEは9.3から9.8に上昇していました。6ヶ月間の変化としては着実な悪化と判断して、再度別の医科大学病院でPETとCTを施行してみました。

PETでは胃と腸に淡い取り込みはあるものの異常な集積なしとの判断です。

CTでは、胃前庭部の拡張の不良から胃がんの疑いもありとの判断であります。 しかし、内視鏡では胃がんは見つかりませんでした。
更に半年後、2005年6月9日、再度TMCA検査を施行したところ、NSEは9.8から12.9に悪化し、α1-globulin分画は2.7%から3.2%に悪化していましたので、患者さんは“癌が出来るのを待つようなことはしたくない”とのことで、現在漢方薬サンアドバンスの服用とUkrainの併用治療を始めています。
 
症例 5 (50歳女性)
2004年12月3日、S市の市のスメアー検診でIIIbと診断されました。そこでS病院にいきますと、組織診を3箇所行い、adenocarcinoma in situ と診断され、子宮体癌は心配ないといわれました。医師の意見は分かれていたようです。
T大学病院で精密検査を受けてみると“体癌の疑い”といわれたが、病理診断書には“adenocarcinoma in situ”とかいてあります。
2005年2月2日、TMCA検診ではTSVと分類された。データは次のごとくであります。
Ferrtinが776.2で、鉄の比が6.3であり、thymidine kinaseが5.2 であり、T細胞が1395、SIが140であり、NK活性が40%でありました。
そこで、2月17日、子宮の円錐切除術を行っています。
念のために、2月21日、TMCA検診を行ないましたら、TSVの悪化との判定になり、円錐切除術の効果は全くありませんでした。Ferrtinが837.ng/mlであり、鉄との比は7.0であり、thymidine kinaseは5.4であり、α1-globulin分画が2.9%であり、アルブミンとの比が4.4と上昇していますので、悪化が考えられます。
大学病院では手術標本の病理検査から“子宮全摘手術が必要”という結論になったようです。2月24日、子宮全摘出手術を施行しています。
3月7日、手術後再度、TMCA検診を施行したが、生化学的データは改善していない。 ferritinが836ng/mlで血清鉄との比が10.5で、α1-globulinとアルブミンとの比が 5.2%であり、NK活性は35%、SIは106、T細胞は1531にて、“癌は残っている”ことが推定されます。 3月26日、PET検査を施行してみました。
PETの診断医たちの判定では“骨盤内の集積は尿管に対する生理的集積と考えられます。腫瘍の残存を示す明らかな異常集積は認めません”。と言う判定であるが、TMCAから考えると怪しい判定であります。
 
症例 6 (62歳男性)
2004年8月20日、TMCA検査でTSVとrisk分類された。そのデータは次のようなものであります。CEAが3.3ng/ml, シアル酸が66mg,ferritinが194ng/ml, TPAが184、 FT/ Feが3.88、α1-globulin/ Albの比が4.1%、その他高脂血漿がありました。
9月18日PET検査をしました所
放射線科医の診断では“胃に強い集積があります。下行結腸にも軽度の集積が認められます。肩関節部にも集積を認め、肩関節炎や肩関節症が示唆されます。PET上、喉頭には有意な集積を認めません。”という判定でありました。
9月19日、内視鏡で喉頭の腫瘍の増大が確認された。患者本人は健康食品を服用しているがほとんど効果は無い。
日付
2003年8月20日
9月19日
11月10日
CEA
3.3
(PET)
2.5
Ferritin
193.9
 
227.6
Fe
50
 
46
FT/ Fe
3.8
 
4.9
Alubumin
65.6
 

64.8

α1-globulin fraction
2.7
 
2.9
α1-glob/ Alb
4.1%
 
4.5%
γ-globulin
11.8
 
13.3%
生化学的データでは悪化が続いている。 本人は健康食品を盲信していて、健康よりも ビジネスの方が大切らしい。       
 
症例 7 (63歳女性)
2004年5月30日、TMCA検査でTSVにrisk 分類された。その時のデータはCA19-9が52でCEAが3.0であった。2004年9月6日、確認のためにPET検査を施行した。
PETの検査について、放射線科医の判定としては“胃全体に淡い集積を認めます。胃炎が疑われます。悪性腫瘍を示唆するような異常集積ではありません。”という診断であるが、CA19-9の高値から胃炎だけと断定するのも問題であります。
日付
5月30日
6月14日
8月4日
CA19-9
52
48.7
56.2
CEA
3.0
 
3.6
NSE
 
8.4
7.6
 
症例 8 (76歳男性)
2005年 4月26日 TMCA検査でTSVとrisk 分類された。その根拠としてはCEAが5.8ng/ml, TPA 131.2、CEA x TPA= 760 (normal range: 380>)、α―1glob/ Alb( 4.5%),
そこで、6月2日、特異マーカーを施行したところ、SCC(1.8ng/ml), thymidine kinase9.4,
ヒアルロン酸71.6などの高値が出たので扁平上皮癌が推定された。同時にPET検査をおこなって見ると
“喉頭に淡い集積、縦隔野正中に小さな集積があり、気管分岐部あたりのリンパ腺の集積を疑う。胃壁にび慢性の淡い集積がある。両肺には明らかな異常集積は無い。”という放射線科医の判定である。
気管支肺がんの縦隔転移の可能性が高いので、もう少し待つかどうか本人に聞いたところ“待ちたくない”とのことで、6月27日よりWhole Body Hyperthermia(WBH)を開始しました。
 
症例 9 (65歳女性)
1987年から毎年1回、TMCAを行っていました。
1997年6月28日  TSIII(12),   1988年6月26日   TSIII(12)
1989年6月25日  TSII       1990年6月24日   TSIII(6)
1991年6月30日  TSIII(3)    1992年7月26日   TSIV(3)
1993年8月29日  TSIII(6)    1994年11月27日  TSIII(6) 
1996年4月28日  TSIII(3)    1997年8月31日   TSIII(6)
1999年2月28日  TSIII(6) とこの年までは順調でしたが2000年度から発癌の前夜となり始めていきます。
パラメーター
FT/ Fe
APT
Fe/ SA
RNase
PG1/ !/2
α1-gl/ Alb
2000,10/29
0.78
0
1.9
129
83.7/ 2.0
3.2
2001, 12/23
1.03
-2
1.39
89
82.5/ 2.1
3.0
2003, 5/18
1.41
-5
1.15
85
62.8/ 1.6
3.5
2004, 5/30
3.4
7.0
0.67
106
71.1/ 2.0
6.0
この表の意味は2000年度がTSIII(12)の判定であり
2001年度が TSIII(6) の判定であり、2003年度が TSIVの判定であり
2004年度が TSVの判定であります。この時、胃に悪性リンパ腫が発見されています。
6月13日には胃切除術を施行しています。
ここで紹介したいことはFT/ Fe, APT, Fe/ SA, RNase, PG1/ 1/2, α1/ Albのどのパラメーターでも急激に変化していることがわかります。
これらのパラメーターは重要なのですがほとんど認知されていません。
著者としては2000年度に内視鏡で精査してもらうように指導したのですが、医科大学病院の内視鏡検査で、“胃はきれいだ”と言われています。
2003年度には予防をした方がいいですよと説明したが、10年間、何にも無くすごしてきたので今回も大丈夫だろうと高をくくっていたところ、胃の壁がリンパ腫に罹ったのです。
胃のリンパ腫は内視鏡で検査することは基本的には難しい。

注)PET検診では、腎臓と尿路系、肝臓等、不得手なところがあります。がんセンターの報告では、3割ほど見落しが指摘されています。従いまして腫瘍マーカーでよく調べ、PETやMRI、CTなどの画像検査を組み合わせることにより正しい判断ができると思います。
 
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